【金融リテラシーとは?】
金融リテラシーという言葉をご存じでしょうか?
金融リテラシーとは、
こういった能力を「生活スキル」と「金融リテラシー・マップ」では位置付けています。
教育であったり住宅(購入等)、老後資金といった人生上の大きな出費等に対して、
②銀行等の金融機関から借りる
③保険を掛けておく(個人年金等含む)
といった方法があるかとは思いますが、自分自身のライフプランを考えたうえで合理的判断していくことが大事であり、そのための強力な武器となるのが金融リテラシーです。
この金融リテラシーが国民全体で高まってくれば、家庭の金融資産の有効な活用をもたらすことができ、また経済全体の成長を支え、豊かな社会の実現のプロセスの一つとなりえます。
最低限身に付けるべき金融リテラシー(知識・判断力)
一人の社会人として、経済的に自立し、より良い暮らしを送る上でもっとも基本となるのが下記の4分野・15項目です。
〇生活設計 ライフプランの明確化及びライフプランを踏まえた資金の確保の必要性の理解
〇金融知識及び金融経済事情の理 「金融取引の基本としての素養」 ・契約にかかる基本的な姿勢の習慣化 ・情報の入手先や契約の相手方である業者が信用できる者であるかどうかの確認の習慣化 ・インターネット取引は利便性が高い一方、対面取引の場合とは異なる注意点があることの理解
「金融分野共通」 ・金融経済教育において基礎となる重要な事項や金融経済情勢に応じた金融商品の利用選択についての理解 ・取引の実質的なコスト(価格)について把握することの重要性の理解
「保険商品」 ・自分にとって保険でカバーすべき事象 ・カバーすべき事象発現時の経済的保障の必要額の理解
「ローン・クレジット」 ・住宅ローンを組む際の留意点の理解 ・無計画、無謀なカードローン等やクレジットカードの利用を行わないことの習慣化
「資産形成商品」 ・人によってリスク許容度は異なるが、仮により高いリターンを得ようとする場合には、より高いリスクを伴うことの理解 ・資産形成における分散の効果の理解 ・資産形成における長期運用の効果の理解
〇外部の知見の適切な活用 金融商品を利用するにあたり、外部の知見を適切に活用する必要性の理解
・健全な家計管理、生活設計の習慣化
・金融商品の適切な利用選択に必要な着眼点等の習得
・必要なアドバイスの活用
といったことが重要となります。
【金融リテラシー・マップとは?】
2008年のリーマンショックは金融リテラシーの向上も重要な課題であることを世界各国に認識させる出来事になりました。
日本でも、2014年6月に小学生から高齢者までの年齢階層別に分類された金融リテラシー・マップが作成されました。
(最新の改訂版は2015年6月)
【金融リテラシー・マップ】




何のためにマップが作成されたのかな?



自治体・業界団体・金融機関、NPO団体などの現場で
金融教育を担う方々に利用してもらうために作られたのよ。
この金融リテラシー・マップは金融リテラシーの「4分野・15項目」を年齢別・分野別に体系的に示したものです。
【年齢別における内容】
社会の中で生きていく力の素地を形成する時期
中学生
将来の自立に向けた基本的な力を養う時期
高校生
社会人として自立するための基礎的な能力を養う時期
社会人として自立するための能力を確立する時期
生活面・経済面で自立する時期
一般社会人
社会人として自立し、本格的な責任を担う時期
年金収入や金融資産取り崩しが生活費の主な源となる時期
近年は、小学校から高校までの学校教育及び大学での教育活動についても力を入れてきており、国民の金融リテラシーを中長期的に高める上では学校において子どもたち全員に必要事項を教育していくことは最も効果的なことであります。
ただ、その分、学校の指導要領の項目が増えていくことになり、カバーできる内容は十分とは言えない場合がありますので、こういった授業を踏まえ、家庭や日常の生活の中で金融リテラシーを意識することが重要になってくると思います。
8歳からのお給料袋、おこづかい袋セット
お小遣いをどう活用するかを家庭向けに伝える本です。
お小遣いの使い方、ため方を親子で学べる内容になっています。
「お給料袋セット&シール」が付録としてついています。
【全年齢層を通じて習得すべきスタンダード】
分類1.家計管理
①家計の収支を適切に管理することが必要であることを理解し、習慣となっている
②現状の収入や支出を的確に把握できる
分類2.生活設計
①ライフプランを明確にしている
②ライフプランを実現していくためには、経済的な裏付けとして資金を確保することが必要であることを理解し、必要な資金を貯蓄・運用、借入などにより計画的に準備していくことができる
③自らの支出行為等が社会にどのような影響を与え、社会にどのように貢献できるかを考え、自分の価値観に基づき、ライフプランや生活設計を考えることができる
分類3.金融取引の基本としての素養
①金融商品ほかの契約を行う際には、契約内容および契約に伴う責任を確認し、理解できない契約は締結しないことが習慣となっている
②契約締結後も、金融商品を巡る状況を定期的に確認(年間取引報告書等の確認)することが習慣となっている
〇金融取引を行う前に、情報の入手先や取引の相手方が信頼できる業者であるかどうかを確認することが習慣となっている
①インターネット取引では、情報搾取、不正アクセス、誤発注、障害といった対面取引の場合とは異なる様々な危険が伴うことを理解している
②インターネット取引におけるトラブル予防の仕方を理解し、実行できる
分類4.金融分野共通
①金融経済教育の基礎となる重要な事項(金利(単利・複利)、インフレ、デフレ、為替、リスク、リターン等)を理解している
②金融経済情勢に応じた金融商品の利用選択について理解し、実践できる
取引の実質的なコスト(価格)について把握することの重要性の理解
〇金融商品を利用選択するに当たり、取引の実質的なコスト(価格)を十分に把握する
分類5.保険商品
①リスク管理の基本を理解している
②保険商品を利用選択する前に、自分が何かのリスク(死亡、疾病、火災、地震、介護等による損失や危険の発生の可能性)に備えるべきかよく整理したうえで判断できる
③自分のニーズと保険商品の内容が合致しているかを確認することができる
〇保険以外で賄える金額(社会保障、企業福祉、本人の貯蓄等)も勘案し、保険商品でどの程度の金額の備えが必要かを把握したうえで、保険商品を適切に利用、選択することができる
分類6.ローン・クレジット
(1)無理のない借入れ限度額の設定、返済計画を立てることの重要性
(2)返済を困難とする諸事情の発生への備えの重要性
①住宅ニーズを考慮したライフプランを描いている
②住宅ローンについて基本的な特徴を理解している
③住宅ローンを組むに当たっては、必要な具体的知識を有している
①ローン等を、生活設計の中で位置づけている
②カードローン等の消費者金融やクレジットカードの特徴とメリット・デメリットを理解している
③ローンやクレジットカードの返済を適切に履行しない場合には、重大な影響が生じ得ることを理解している
④利用に当たっては慎重な姿勢をとることの重要性を理解し、無計画・無謀な利用を行わないことが習慣となっている
分類7.資産形成商品
①自らの生活設計の中で、どのように資産形成をしていくかを考えている
②リスクとリターンの関係を正しく理解している
③自らのリスク許容度を踏まえて合理的な選択ができる
①複利効果は長期投資になればなるほど高い効果が得られることを理解している
②長期運用により価格変動リスクなどを平準化できることを理解している
分類8.外部の知見の適切な活用
①金融商品を利用するに当たり、外部の知見を適切に活用する必要があることを理解している
②金融商品の利用の是非を自ら判断するうえで必要となる情報の内容や、相談しアドバイスを求められる適切で中立的な機関や専門家等を把握し、的確に行動できる
【マップによりスタンダードが定まった】
従来は金融リテラシーの向上について具体的に定まったものがなかったのですが、このマップの策定によりスタンダードが定まったことになります。
現在の金融リテラシー教育においては、このマップとの整合性にも配慮しつつ行われています。
現在の日本人の金融知力は世界と比べて低い水準になります。
最近では「貯蓄ではなく投資を」といったことが叫ばれ、NISAやiDeCoとった税制優遇された制度も整備されてきています。
そういった仕組みも金融リテラシーが向上していくことでより活用する場面も増えてくるように思います。
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「お金を学び、お金に強くなる」なることこそ、
将来子どもが幸せになるためのパスポートである。
子どもの才能を伸ばし、スペシャリストにするためのヒントがたくさん詰まっています。
2006年から行われている金融経済クイズ大会「エコノミクス甲子園」
優勝したペアには「アメリカ・ニューヨーク・ボストン研修旅行」がプレゼントされるようです。
こういった活動も金融リテラシー教育の一環ですね。
※申し込んだ生徒には「事前学習教材」が無償で送付されるようです。
今後、学生から社会人の皆さんの金融リテラシー・金融知力が向上していくことを願っています。
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