キャリアコンサルタントとは
国家資格
平成28年4月1日より国家資格となった資格。
それまでは民間資格(標準レベルのキャリア・コンサルタント)として運用されていましたが、質を担保・向上させ、労働者が安心して職業に関する相談を行うことが出来る環境を整備するために国家資格となりました。
キャリアコンサルタントは登録制の名称独占資格とされており、「守秘義務」・「信用失墜行為の禁止義務」が課されています。
キャリアコンサルタントでない人は「キャリアコンサルタント」やそれと紛らわしい名称を名乗れません。
キャリアコンサルタントになるには
学科資格と実技試験の両方に合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録することにより「キャリアコンサルタント」として名乗ることができます。
キャリアコンサルタントは5年ごとに更新を行い、最新の知識・技能を身につける必要があります。
キャリアコンサルタントの役割とは
その名の通りキャリアコンサルティングを行う専門家です。
労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行います。
キャリアコンサルティングを通じて、自分の適性や能力、関心などに気づき、自己理解を深め社会や企業内にある仕事を理解し、その中から自身に合った仕事を主体的に選択できるようになることが期待されます。
その人がその人らしく、いきいきと活躍できるよう、相談者と伴走しながらサポートする、その役割を担っているのがキャリアコンサルタントです。
試験
職業能力開発促進法に基づき、厚生労働大臣の登録を受けた登録試験機関にて実施される国家資格試験。
学科試験は登録試験機関により、同一日に共通問題で行われる。
試験内容
年3回(2~3月/6~7月/10~12月)
①学科:実技論述試験【同日・同会場】
②実技面接試験【日時協会指定】
※個別受験可能
試験出題範囲
キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目
https://www.jcda-careerex.org/files/requirements/66file_15876275291.pdf
登録試験機関
特定非営利活動法人日本キャリア開発協会

特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会
合格率(第15回:2020年11月実施)
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 平均点(満点) | |
学科 | 3,198 | 2,390 | 74.7% | 74.9(100) |
実技 | 3,130 | 2,013 | 64.3% | 93.1(150) |
受験案内
受験資格
①厚生労働大臣認定講習課程修了者
②いずれかの3年以上の実務経験
労働者の職業選択
職業生活設計又は職業能力開発及び向上
③技能検定キャリアコンサルティング職種の試験合格者
④キャリア・コンサルタント能力試験の受験資格養成講座修了者(~H28.3まで実施)
※キャリアコンサルティングに係る実務経験
・キャリアコンサルティングによる支援対象者が「労働者」であること
(労働者とは現在のみではなく、求職者(学卒就職希望者等含)も含まれる)
・相談の内容、目的が職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関するものであること
・キャリアコンサルティングが一対一で行われるもの、又はこれに準ずるもの(小人数グループワークの運営等)であること
(情報提供に止まるもの、職業・訓練の運営そのもの等は含まれない)
試験免除
下記に該当する方は、キャリアコンサルタント試験で該当する試験が免除されます。
1.キャリアコンサルタント学科試験又は実技試験の合格している試験は免除
2.技能検定キャリアコンサルティング職種の1級又は2級の学科試験、実技試験のどちらか片方の合格者は、キャリアコンサルタント試験の対応する試験が免除
3.平成28年3月までにキャリアコンサルタント試験と同等以上のものであって厚生労働大臣が指定する試験に片方合格した合格者について、対応する試験が免除
申請方法
「Web申請」と「Web+郵送申請」
「Web申請」で受験資格②の場合は過去1年以内に受験歴があり、その際に提出した実務経験証明書のコピーを持っている場合に限られます。
※車椅子による受験など、特別な配慮が必要な方については、事前に受験サポートセンターへメール連絡してください。
資格登録
試験合格者はキャリアコンサルタント国家資格の登録ができます。
キャリアコンサルタント名簿に登録することにより「キャリアコンサルタント」として名乗ることができます。
資格の更新
キャリアコンサルタントの登録を継続するためには5年ごとに更新を受けることが必要となります。
更新講習は、
A:知識の維持を図るための講習(知識講習) 8時間以上
B:技能の維持を図るための講習(技能講習) 30時間以上
のA及びBの講習を受ける必要があります。
必要書類:更新講習の修了証またはこれに代わるべき書類
更新手数料:8,000円(非課税)
キャリアコンサルタントの活躍
キャリアコンサルタントの活躍の場は大きく分けて2つに分けられます。
企業内
企業の中では、従業員のキャリア形成の支援として従業員のキャリアプランを明確にし、必要な知識・資格の習得、さらには仕事の選択に対して支援を行う機会が増えています。
社内でのキャリアコンサルタントの活躍により、将来を見据えたキャリアプランを策定し、目標に沿ったキャリアを積めるというメリットを作り上げることができます。
企業以外
大学のキャリアセンターでは、就職活動中の学生。
ハローワーク・人材紹介、派遣・再就職支援には一般の求職者。
これらの方の就職や再就職のために効果的な自己分析の方法、エントリーシートの作成支援、面接等のキャリアコンサルティングサービスに対する需要が高まっており、これらのニーズに対する活躍が見込まれます。
「受験料」と「専門実践教育訓練給付金」
試験区分と出題形式
学科:筆記試験
出題形式:四肢択一のマークシート方式
問題数 :50問
試験時間:100分
合格基準:70点以上(100点満点)
実技:論述試験
出題形式:逐語記録を読み、設問に解答
問題数 :1~2問
試験時間:50分
実技:面接試験
出題形式:①ロールプレイ
・面談開始から最初の15分の設定
・受験者がキャリアコンサルタント役
②口頭試問
・自らのキャリアコンサルティングについて
問題数 :1ケース
試験時間:20分(①15分/②5分)
実技合格基準:90点以上(150点満点)
※ただし論述試験の満点の40%以上かつ
面接試験の評価区分の3項目がいずれも40%以上
受験料
学科:8,900円
実技:29,900円
実戦経験を積み、さらにレベルアップを目指すなら
キャリアコンサルティング技能士
「キャリアコンサルティング技能士」とは、キャリアコンサルティング技能検定(国家検定)に合格した方のことをいいます。
キャリアコンサルティング技能検定が求める能力水準は、キャリアコンサルタント試験が求める能力水準の「上位」に位置付けられます。
「1級」は指導レベル、「2級」は熟練レベルとして位置づけられています。
2級キャリアコンサルティング技能検定試験
どのような相談でも安定的にキャリアコンサルティングができる能力を証明できます。(熟練レベル)
要:実務経験原則5年以上
1級キャリアコンサルティング技能検定試験
安定したキャリアコンサルティングができる能力に加え、キャリアコンサルタントに対して指導ができる能力を証明できます。(指導者レベル)
要:実務経験原則10年以上
キャリアコンサルタント養成講習
キャリアコンサルタント試験を受けるためには実務経験がある方を除き、受験要件を満たす講習として厚生労働大臣が認定した講習を受けなければなりません。
専門実践教育訓練給付金
働く人の主体的で、中長期的なキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とする雇用保険の給付制度。
一定の条件を満たす雇用保険の被保険者、または被保険者であった方が指定する専門実践教育訓練を受講し修了した場合に教育訓練経費の一定の割合額がハローワークから支給される。
※支給要件期間:3年以上
教育訓練指定講座
☛☛☛
訓練期間:5カ月
給付金 :受講料の50%
+
さらに資格取得等で20%追加支給
※修了認定基準
スクーリング12日間のうち10日間(80%)以上出席
添削課題全3回の正解率60%以上かつ知識確認テスト正解率70%以上
※追加支給要件
一発合格かつ、修了した日の翌日から1年以内に雇用保険の被保険者として雇用されていること
その他の講座一覧
キャリアコンサルタントのこれから
いつでもどこでも誰でも学ぶことができること、そしてやり直しがきく社会の実現に向けて、支援者として社会の先頭に立ち、そしてキャリアコンサルタント自身もその人らしく生きることができる人であることが望まれます。
官民を超えた公の支店を自覚し、労働の人間化と快適環境づくりに貢献するという視点も重要であり、また、キャリアコンサルティングの実践については継続な学習も求められており、相談者の将来にとってプラスとなり、よりよき将来につながる支援体制も構築されています。
特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会HPより
少しでも興味をもたれた方は受講を検討されてみてはいかがでしょうか。
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